2020年12月24日
私は元銀行員です。都市銀行で融資部門中心に27年勤めました。この経験の中で、「銀行と、もっとうまく付き合えば融資もスムーズに受けられるのに」と思うことも多くありました。事業者の皆さんには、銀行と上手に付き合う方法を知って、銀行をうまく使っていただければと思います。
さて、今回は銀行の融資審査のポイントについてお話します。審査の手の内を知って、しっかり対策を立てて融資申込しましょう。
借入申込をすると、銀行では「稟議書」を作成して融資するかどうかの検討をします。その稟議書で何を検討するのか、ザックリと言ってしまうと以下の3点です。そして、附属的に検討される事項がさらに3点あり、合計6つの事項について検討がなされます。
①何にお金を使うのか?➡資金使途、資金需要の原因の検討
②どのようにして返済するのか?➡返済原資の検討
③返済できなくなった場合の備え➡債権保全策
~これらが稟議書で検討される大きな柱ですが、他にも前提として以下の点が検討されます。
④企業内容(事業者内容)の把握➡財務内容、経営者資質、事業活動状況、業界動向
⑤融資妙味➡金利、取引振り、関連取引
⑥他行動向➡銀行取引状況推移
以上の点について、銀行の融資担当者が稟議に記載しやすいように情報提供してあげることで、融資はスムーズに進むでしょう。ただし、こちらからの情報提供の仕方にも注意が必要です。正確、的確に稟議書に記載してもらう必要があるからです。
上記6つのポイントについて、伝え方を解説していきます。
まず、資金使途の説明の仕方について、次回、お話していきます。
カテゴリ:融資、資金管理コンサルティング