2020年11月13日
Ⅰ.理事会の招集について【法第45条の14】
1 理事会は、各理事(理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときはその理事)が招集します。
なお、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その他の理事は招集権者で ある理事に対して、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができま す。この請求があった場合には、請求日から5日以内に、理事会の招集通知(請求日から2週 間以内の日に理事会を開催するものである必要がある)が発せられない場合には、その請求を した理事が理事会を招集することができます。
2 理事会を招集する者は、理事会の日の1週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっ てはその期間)前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発出する必要があります。 ただし、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集通知を発出せずに理事会を開催する ことができます。(招集通知の省略) なお、理事会の招集通知は、各監事(監事の全員)に対しても発出しなければならないことに留意してください。
Ⅱ.理事会の決議に関する注意点【法第45条の14】
1 平成28年改正法施行前は、定款に定めることにより、欠席した理事の書面による議決権の 行使(書面議決)が認められていたところですが平成28年改正法による改正後においては、 理事会における議決は対面(テレビ会議等を含む。)により行うこととされており、改正前の 書面議決の取扱いを行うことはできません。➡「えっ、そうなの?」とおっしゃる方がたまにいらっしゃいますが、書面決議はもうありません。
2 理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、理事の全員が書面 又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは(監事が当該提案について異議を述べたと きを除く。)、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなされます。(決議の省略) また、理事、監事又は会計監査人が理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を 通知したときは、当該事項の理事会への報告を要しないものとします。(理事会への報告省略)ただし、理事長等が、 自己の職務の執行状況について理事会に報告するときは、実際に開催された理事会において行う必要があります。
Ⅲ.理事会議事録について【法第45条の14、15】
1 理事会議事録には、次に掲げる内容を記載する必要があります。➡理事会議事録の必要記載事項
①開催日時
②開催場所
③出席者氏名
④議長の氏名
⑤議案
⑥議案に対する発言内容
⑦議案に対する評決結果
⑧特別の利害を有する理事の氏名
⑨議事録署名人
⑩議事録署名年月日
⑪理事会が次に掲げるいずれかのものに該当するときは、その旨
ア 招集権者以外の理事が、理事会の招集を請求し、招集されたもの
イ アによる請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を 理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合に、その請求をした理事が招 集したもの
ウ 理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又法令 若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときに、監事が 招集を請求したもの
エ ウによる請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を 理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合に、その請求をした監事が招 集したもの
*議事録作成者の氏名記載は法的には必要ありませんが、評議員会議事録と統一して、記載するようにしておいた方がよい(うっかりミスを防げる)と思います。
2 理事の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をし(監事が当該提案について異議 を述べたときを除く。)、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなされた場合の議事録には、次に掲げる内容を記載する必要があります。➡上記決議の省略手続です。
(1)理事会の決議があったものとみなされた事項の内容
(2)(1)の事項の提案をした理事の氏名
(3)理事会の決議があったものとみなされた日
(4)議事録の作成に係る職務を行った理事の氏名
3 理事、監事又は会計監査人が理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知し、当該事項の理事会への報告を要しないものとされた場合の議事録には、次に掲げる内容を 記載する必要があります。➡上記理事会への報告省略です。
(1)理事会への報告を要しないものとされた事項の内容
(2)理事会への報告を要しないものとされた日
(3)議事録の作成に係る職務を行った理事の氏名
4 議事録署名人
議事録署名人については、定款で定められた署名人が署名又は記名押印(これも定款で定められています)を行うことになります。
「出席した理事及び監事は、議事録に署名し又は記名押印する」(法第45条14の6)が原則ですが、
「出席した理事長及び監事は、議事録に署名し、又は記名押印する」(同上( )書にて定款で緩和することが認められています)とする場合が多いです。➡条件緩和が認められているものは、できるだけ利用して管理を楽にするべきです。
カテゴリ:社会福祉法人運営