2020年10月20日
役員の任期の統一についてお話しましたが、前提として、役員選任についての注意点を整理してみました。これから何回かに分けてお伝えしていきたいと思います。
評議員、理事、監事について
法人を運営していくためには評議員及び役員(理事・監事)が必要ですが、この役員等が法人運営の中核となるため、選任や業務執行、その記録としての議事録等について社会福祉法で厳密に定められています。
~役員等の選任に瑕疵があると、その後の法人運営全体が無効となってしまう危険性もあります。慎重な取扱いが必要です。
社会福祉法の役員等選任に関する注意事項を整理してみました。まず、役員等になる方の要件からまとめてみました。
役員等の要件
評議員の就任にあたっては、いくつかの条件があります。主な条件は次のとおりです。
(1)理事の員数を超えること。(通常、理事6人に対して評議員7人のパターンが多いですね。)
(2)理事・監事又は職員を兼ねることができないこと。
(3)各評議員又は各役員の配偶者又は三親等以内の親族が含まれてはならないことに加え、各評議員又は各役員と特殊の関係がある者も含まれてはならないこと。
理事の就任にあたっても、いくつかの条件があります。主な条件は次のとおりです。
(1)6人以上であること。
(2)社会福祉事業について熱意と理解を有し、かつ、実際に法人運営の職責を果たし得る者であること。
(3)社会福祉事業の経営に関する識見を有する者が含まれること。
(4)社会福祉法人が行う事業の区域における福祉に関する実情に通じている者が含まれること。
(5)施設を設置する場合は、当該施設の管理者が含まれること。
(6)理事本人を含め、その配偶者及び三親等以内の親族その他各理事と特殊の関係のある者が理事の総数の三分の一を超えて含まれてはならず、その上限は3人であること。
監事の就任にあたっても、いくつかの条件があります。主な条件は次のとおりです。
(1)2人以上であること。
(2)理事又は職員を兼ねることができないこと。
(3)社会福祉事業について識見を有する者が含まれること。
(4)財務管理について識見を有する者が含まれること。
(5)各役員の配偶者又は三親等以内の親族が含まれてはならないことに加え、各役員と特殊関係がある者も含まれてはならないこと。
★上記の下線の部分に誰が該当するかについて、法人として確定させておく必要があります。例えば、「財務管理について指揮権を有する監事」は誰ですかと問われれば、「この監事です」と答えられなくてはなりません。現況報告書の記載欄に「理事要件の区分別該当状況」等がありますので、理事ならば3つの要件それぞれに記載しておくと分かりやすいです。理事長は「事業の区域における福祉に関する実情に通じている者」でもあると思いますが、施設長を兼ねている場合は「施設の管理者」にしておくとよいと思います。
カテゴリ:社会福祉法人運営